他社の人に「課長のAさんは」と言ったり、「外出しています」を「お出かけになっています」と言ってみたり。
悪い意味での慣れが生じるのです。
これは、言葉数をできるだけ少なくしようとする態度に現れます。
「申し訳ございませんが、売り切れてしまいました」と言うべきところを、「売り切れです」と言っておしまい、というぶっきらぼうな態度です。
本人はそれでいいつもりなのでしょうが、言われたほうはたまりません。
「ないです」とか、多少ていねいに「ございません」だけでも、木で鼻をくくったような印象を与えます。
言葉づかいが無神経な女性は、あとはもうオバサンへの道を転げ落ちるだけです。
特定の人にはきちんと話すのに、他の人には「ないです」と切り口上の人もいます。
これは言葉ではなく心の問題です。
言葉はたしかに伝達の道具ですが。
少々経験を積んでく意味だけ相手に届けばいいというものではありません。
エコノミークラスのお客様がファーストクラスの部屋に入ろうとしたときに、スチュワーデスが「ここは立ち入り禁止です」と言ってしまったことがありました。
「なってない」と大へんな怒りようでした。
もちろんそのスチュワーデスに非があったわけで、誠意を込めて謝りました。
「恐れ入ります。
お席は何番でらっしゃいますか」彼女はこれぐらいの言い方をすべきでした。
立ち入り禁止、禁煙、私語厳禁、駐車禁止、芝生に入るべからず、といったように町には禁止語があふれでいます。
少なくともお客様を相手にする仕事に就いている人は、否定形の言い方をしないように極力、注意するようにしてください。
「ここは禁煙ですよ」よりは、「ここではおタバコはご遠慮ください」のほうが、言うほうも抵抗感がないのではないでしょうか。
話し方や言葉づかいで角が立ったりスムーズに行ったり大きな違いが出てきます。
えてして人間は命令されたり禁止されたりすることを嫌います。
そこで相手の意志を尊重するような言い方が必要になってきます。
結果は同じにしても、相手が自分の意志で動くのですから、トラブルは発生しません。
たとえば、あるスチュワーデスが、席をまちがえているお客様に、ついウッカリ「お座席が違っています。
お替わりください」と言ってしまいました。
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